「みまもりふぅーにゃん」の名前に込めた想い!
現在「デジタル生活ノート」として知られているこのアプリ。実はもともと、「みまもりふぅーにゃん」という名前でスタートしました。今でもその名前は、サブタイトルとしてトップページに残しています。
このアプリは、目に見えて増加している「いじめ」や「子どもの自殺」などの問題に対して、できるだけ早い段階で大人たちが気づき、対応できないかと考え、開発を始めたものです。問題が起きてからでは遅い――その前に何かできる仕組みをICTの力で作れないか、と。
「ふぅーにゃん」という名前は、学校や集団の中で生きづらさを感じている子どもたちが、「ふぅー」とため息をついて、少しでもリラックスできるように…そんな願いを込めてつけました。まったりと寄り添ってくれるネコちゃん、それが「ふぅーにゃん」。トップページの飛行艇に乗って街を見守っているあのネコが、ふぅーにゃんです。アクティブブレインズのオリジナルキャラクターなんです。
ちなみに昔、母に「ため息つくと運が逃げる」とよく叱られたけど、今の時代は違いますね。ため息、大いにけっこう!ヨガ的に言えばリラックスの呼吸法ですからね。
そんな“ふぅー”から生まれた「ふぅーにゃん」ですが、実はあまり知られていないところで、ちょっとしたグッズ展開もしていました。作成当時は「子どもたちの救世主になる!」と本気で思っていたのですが…まぁ、目論見は大きく外れました。トホホ。
・ふぅーにゃんモップ(タブレットや電子黒板のお掃除グッズ)
・ふぅーにゃんクリアファイル(2種類)
・ふぅーにゃんLINEスタンプ
・ふぅーにゃんシール
開発のきっかけは“夏休み明けの子どもたち”!
2013年から都内の某区小中学校でICTコーディネータとICT支援員の業務を行っていました。1年目はモデル校のみの運用で、2年目からは34校全校にタブレット端末が配布され、本格的なICT活用支援が始まりました。そんな時、夏休み明けに子供の自殺が多くなることを知り、なんとかその問題をICTの力を使って解決できないかと考えたのが「みまもりふぅーにゃん」を開発したきっかけでした。2014年9月から開発をスタートしたので、実はAIAIモンキーよりも先に開発を始めていたんです。
ですが、そのリリースがAIAIモンキーよりも遅れてしまったことには、いくつかの理由がありました。
・まだこの手のアプリが学校現場に導入された前例がなく、導入を却下されることが多かった
・個人情報保護の観点から懸念される声が大きかった
・アプリを使うことで、別の問題が表面化し、学校の業務負担が増えるのでは?という心配
・校務と教務のどちらに位置づけるか分からず、責任の所在が不明確で困惑された などなど…
「チーム学校で子どもたちを見守りたい」「いじめの早期発見・早期対応を」と提案書を作り、プレゼンにも奔走しましたが、なかなか教育委員会や学校に受け入れてもらえませんでした。1人1台の端末がまだ普及していなかった当時では、やはり時期尚早だったのかもしれません。
その後、しばらく「みまもりふぅーにゃん」は表舞台から姿を消していたのですが――再び登場したのが、コロナ禍の学校でした。
コロナ禍で再び注目されたふぅーにゃんの役割
感染症対策のため、子どもたちの体温や体調を毎朝チェックすることが日常となり、さらに休校や欠席者への連絡がオンライン化し、状況が一変しました。一人1台のタブレット端末が整備されたことも大きく影響しています。これまでは、ログイン時に必要なIDとパスワードを忘れてしまうという理由で、容易に推測できるID&PWが使われていましたが、現在は、MicrosoftやGoogleとのシングルサインオンで連携できるようになり、セキュリティ面では以前と比べ物にならないくらい個人情報に配慮した運用が可能となりました。
2023年、子どもの自殺者数が過去最多を記録したというニュースが流れました。今、求められているのは、「相談することは恥ずかしいことじゃない」と、声をかける大人の存在です。子どもも大人も、誰かに話せるだけで、心がふっと軽くなることってありますよね。
「みまもりふぅーにゃん」が、そんな気軽に相談できる場になれば――今もそう願っています。