2010年ごろ、普通教室で活用できる穴埋め問題作成アプリ「あなうめ君」の開発をスタートしました。
初めての自社アプリ開発ということもあり、ワクワクとドキドキが止まりませんでした。
しかし、その高揚感とは裏腹に、この「はじめてのアプリ開発」が、その後何度も空中分解を繰り返すとは、この時はまだ想像もしていませんでした。
開発しようとしていたのは、学校の普通教室で使えるデジタル教材です。
これまでのようにWEBサイトに教材を掲載し、ダウンロードして使うものではなく、JavaScriptとPHPで動く“アプリ”として提供するものでした。
当然ながら、開発前に決めるべきことは山ほどありました。
・開発環境はどうするのか
・フレームワークは何を使うのか
・提供方法はどうするのか
当時はとにかく、開発に関する本を大量に買い込み、手探りで情報収集をしていました。
今思えば「なぜネットで調べなかったのか」と不思議に思うのですが、そのときは本を買うことで知識を得た気になっていたのだと思います。
しかも技術の進化が早すぎて、1年も経たないうちに参考書はすべて古くなってしまいました。
トホホです。
これまで、eラーニング教材やICT活用のマニュアルなどは、自分自身で手を動かして開発してきました。
そのため、仕様書に時間をかけるよりも、まず作ってみるというスタイルで進めていました。
しかし、アプリ開発は違いました。
自分で作るのではなく、開発者に依頼する必要があります。
そのためには、「何を作りたいのか」を明確に伝えるための要求仕様書が必要でした。
ところが――
この時の私は、その重要性をまったく理解していませんでした。
「こんな感じかな」と軽くまとめた仕様書を作り、開発者に依頼してしまったのです。
その後、開発会社から要件定義書がエクセルで上がってきました。
機能やデータベースの設計が書かれていたようですが、正直なところ内容はよく分かりません。
そして私は、こう返しました。
「OKです。これで進めてください!」
……ここから、
多額の開発費がとろけていく物語が始まります。