今回は、当社アプリ「AIAIモンキー」の開発秘話をご紹介します。
AIAIモンキーは、現在提供しているアプリの中でも、最初に形になった先駆的な存在です。
その原点は、あるテレビ番組でした。
土曜日の夜に放映されていたNHKスペシャル【私たちのこれから「#不寛容社会」(2016年6月11日)】。
インターネットやSNS上での炎上やバッシング、対立の激化――
社会全体に広がる“息苦しさ”をテーマにした特集でした。
▶番組の内容は以下の通り
(NHKアーカイブスから説明文を引用)
「週刊誌の報道をきっかけに人気タレントに集中する批判。インターネットやSNSにあふれるバッシングや炎上。相いれない主張がエスカレートし、対立構造が先鋭化する社会に、息苦しさを感じるという声が多く聞かれるようになった。専門家は、このままでは日本社会全体が萎縮してしまうと警鐘を鳴らす。なぜ、いま“不寛容な空気”が広がっているのか?冷静な議論のためには何が必要なのか、専門家や市民と共に徹底討論する。」
この番組を見ながら、強く感じたことがあります。
それは、
「自分と違う意見があることを前提にできていない社会になっているのではないか」
という違和感でした。
共感することは難しくても、違う意見があることは当たり前のことなので、目くじら立てて反対意見を叩き潰すのではなく、「そう考える人もいるんだな」と受け止めることができなければ、社会はどんどん息苦しくなってしまう。
では、どうすればよいのか。
私たちにできることはないか。
まずは、
・自分の意見を自由に表現できること
・他者の意見に触れること
・違いを知ること
こうした経験を積み重ねていくことが大切なのではないかと考えました。
実際、AIAIモンキーを使った授業を見学した際、
「こんな考え方があるんだ!」と私自身も驚かされる場面がありました。
それは、小学校5年生の児童の意見でした。
自分では思いもよらなかった視点に触れたときの衝撃は、今でも忘れられません。
そんな体験や想いが重なる中で、
2016年8月、文部科学省より「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」の公募が出されました。
小学校では2018年から、中学校では2019年から、道徳が「特別の教科」として本格実施されることを見据えた事業です。
この公募内容を読みながら、あの番組で感じた問題意識がつながりました。
「多様な意見に触れ、考えを深めていく授業を支える仕組みが必要なのではないか」
そう考え、AIAIモンキーの原型となる提案書を作成し、千葉大学教育学部の藤川大祐 教授へお送りしました。
その後、藤川先生によって提案はさらにブラッシュアップされ、見事採択。
3年間の支援事業がスタートしました。
実証を重ねる中で見えてきた課題を改善し、
現場の先生方の声を取り入れながら、必要な機能を一つひとつ追加していく。
そうした積み重ねの中で、AIAIモンキーは、「授業で使えるアプリ」として形になっていきました。